今年の夏は猛暑とコロナのせいで思うように外出できず生き苦しい日々でした。
やっと少し涼しくなり、秋の気配が感じられるようになった9月末、友と自然教育園を散策しました。
真紅の彼岸花、懐かしさがこみあげてきたアザミ(30年ぶりに見ました)、紫色の萩、黄色い小さな花をたくさんつけたキンミズヒキ等が路傍に咲き誇りクロアゲハも舞っていて、沈んでいた私の気持ちをパッと明るくしてくれました。
「ここは森の中だね」と家族連れの男の子が叫んでいました(皆マスク姿でしたが)
本当に周囲はシイ、マツ、コナラ、落葉樹林などが生い茂り、自然の森の中にいる気分になれます。
タモリがテレビ番組でここを「都会のオアシス」と紹介していたのを思い出しました。
自然教育園は港区白金台にありますが、歴史を遡ってみますと古代は武蔵野の原始
林で、中世(400年~500年前)になり豪族(白金王者)が初めて館を構えました。
(今でも痕跡土塁が残っています) 江戸時代になると高松藩主松平頼重の下屋敷となり回遊式庭園の面影が大蛇(おろち)の松とひょうたん池に見られるようです。
明治時代に陸海軍の火薬庫となり、大正時代に宮家の白金御料地と歴史を重ねたそうです。
この間一般の人々が立ち入ることが出来なかったため豊かな自然が残され、昭和24年天然記念物および史跡に指定され一般に公開されるようになりました。
今でもあまり木や植物に手を入れず、自然に育てているようです。
大蛇(おろち)の松(樹齢300年)は山手線からも見られ有名でしたが、令和元年の台風で根こそぎ倒れてしまいまいた。今でもそのままの状態で見ることが出来ます。
森の小道を通って武蔵野植物園を観察し、水生植物を楽しむためにひょうたん池にさしかかると、その周りで望遠鏡を構えて水鳥を観察している人たちがいました。
「今岩陰から出てきたよ、ちょっと覗いてごらん」と声をかけてくださり、かわいいカワセミを見る事ができました。初めての経験だったので嬉しさがこみあげてきて、今日は運が良い日だとコロナの事も忘れ幸せな気持ちになれました。
(K・S)