先月奥日光を訪れたとき、生まれて初めて生で鹿の鳴き声を聞きました。百人一首猿丸太夫(古今和歌集では詠み人知らず)の「奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」の世界が浮かんできました。
元々西行や源実朝の歌は好きでしたが、百人一首には 特別な思い入れはなく、小学生の頃はクラスメートが競い合って覚えていたのを冷めた目で見ていた記憶があるくらいでした。
10年以上前になりますが、ぐるりっとで担当した生徒の冬休みの宿題(百人一首を20首覚えるというもの)に付き合って(対抗して?)改めて向き合ったという経緯があります。「奥山に・・・」はその時覚えたものでした。
その生徒はとても真面目で、体をこわすのではと心配になるほどの頑張り屋で、怠け者の私には刺激的でした。中学受験をして見事に合格、その後夏休みに再びぐるりっとに来たときに、彼女のために作った教材が残っていました。少し背伸びをして、環境問題を扱った新聞記事や当時のオバマ大統領の演説なども取り入れていて、その頃のことが懐かしく思い出されました。4年前のお花見同窓会に大学合格の報告をしに来てくれたことも嬉しい出来事でした。
コロナ禍における個人的な諸事情からぐるりっとをお休みして1年半以上になります。教室の様子はグループメールで知ることができますが、お手伝いできず歯がゆい限りです。第6波がこないことを願いながら、もうしばらく様子を見させて頂こうと思っています。
鹿つながりで・・・
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる
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