2015年に受託し、以来続けてきている「おおたこども日本語教室」(当初は「大田区子ども日本語教室」)について、スタート当時にブログに書いたことを振り返ってみた。
初めは、なかなか生徒がこないことがあった。その理由は、保護者が住民登録したあと、すぐに学校の手続きを行い在籍するため、「こども教室」の条件=「未就学」に外れてしまうことにあった。学校に一旦在籍すると、教育委員会が行っている「特別支援」があるため、二重の支援は認められないからだった。
その後、徐々に、区(国際都市おおた協会)窓口からの保護者への説明がゆきわたり、まず日本語指導(プレ支援)を受けてから学校に在籍することが定着し、かろうじて「日本語ゼロ」の状態での就学は、ほぼなくなったことはよかったといえる。
しかし、当時から改善が必要だと感じていた点 1) 「こども教室」は週3回であり十分ではないこと 2) 「こども教室」でのプレ支援と就学してからの「特別指導」との連携がとれていないことがあり、それが未だに変わっていないことが残念である。
先日、「スウェーデンにおける難民・移民の子どもに対する言語教育」という講演を聴く機会があった。スウェーデンでは、一時居住者、不法入国者、不正入国者の子どもであっても、6~16才の全ての子どもに就学義務があり、教育を受ける権利が認められている。
言語教育支援は1975年から本格的に始められ、1980年から「外国語としてのスウェーデン語」、1987年から「第2言語としてのスウェーデン語」としてスウェーデン語学習を充実させると共に、母語教育にも力を注いでいる。1985年にプレスクールと基礎学校(義務教育=日本の小中学校にあたる)、1995年からは全ての教育段階に導入された。
国内に居住する外国人、ましてや難民・移民に対する考え方は、日本と大きな違いがあると思うが、母語教育にも力を入れる懐の深さに感心する。
翻って、日本では・・・<言わずもがなであるが>。
広く「子どもの権利」という観点からすると、何をすべきか、どんな政策が望ましいか、改めて考えるきっかけになった。
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