ことばのできる、できないにかかわらず、コミュニケーション能力の高い人がいます。
多分に性格的なものでしょう、
初対面でも恥ずかしがらず、緊張せず、非言語コミュニケーションも上手に使って、
やり取りができます。
しかしそんな人は一握り、ほとんどの人は慣れないところでは、わからないことを聞いたり、
自分の意思を示すことに困難を感じます。自信のない日本語ではなおさらのこと。
日本語のお勉強はできるのにほとんど話そうとしない子、慣れたぐるりっとでは話をしている
のに学校ではほとんど話さない子。
今教室では初日から学習したことを発話する機会を設けています。
1回目の授業で「私は~です」と名前が言えるようになったら、他の学習者の前で言う。
(その後「あなたは?」で相手の名前を聞き取る)
次の授業で「私は~さいです」と学習したら、同様に他の学習者とやりとりする。
はじめは蚊の鳴くような声ですが、繰り返すうちに声も出てきます。
使って初めて身につくこともあるでしょう。
人の前で言うという過程を通して、習ったことは言える ということを身をもって知ってほしいです。
教室では最低限の日本語を学びますが、学校に行ったらわからないこと、困ることがたくさんあるでしょう。
教室で学んで身に着けられることはほんの少し、あとは実際の場、学校で身につけなければなりません。
言えることは言う、わからないことは聞ける を繰り返すうちに学校になじめ、知らないこと・ことばを獲得できると思います。
学校に入り、はじめのうちは周りの友達が話しかけてくるそうですが、反応がないためだんだん
友達が離れていってしまうという話をよく聞きます。
そんなことのない様、初めから言えることは言うことによって、周りの友達が関心を示して
いるチャンスを逃さないで友達の中に入っていってもらいたいです。
(EY)