今回は先生の立場を書いてみよう。
おおたこどもにほんご教室は午前9時に始まる。生徒たちが来るまでに先生たちは教室のカギを開けて簡単な清掃をして教室の準備をする。早めに来室する子供もいるので9時20分前には教室を開ける。そこから逆算して自宅を出る時間を考えればなかなか早い時間帯になる。
私の場合はバスを利用すると40分はかかる。自転車を飛ばせば20分くらいだ。それでも登校する小学生とすれ違う時間である。もっと時間を逆に回して家を出るまでの一日の時間の始まりを遡れば朝6時になる。その時間帯が今回言いたいことの軸である。
朝6時に起きて、その時に自分自身もしくは家族が高熱を出していたり、何らかのひどい病状があったらどうしたらいいのか。到底、その日はボランティア活動があるからと家を出ることはできないだろう。
昨年のある朝、まさにそれが起きた。夫がめまいとひどい吐き気で動けないというのだ。救急車を呼んだ。すぐに隊員の方が救急車内に運び込んでくれたが、一向に走り出さない。あちらこちらの病院に受け入れの電話をかけていたのだ。比較的近い病院で処置を受け、緊急性はないということで帰宅させられた。特に処方箋もなく。
その後、かかりつけのクリニックへ連れて行くと「耳の病の症状かもしれない」と近くの耳鼻科へと回された。そこでの診断は「メニエールの症状がある」と言われいろいろな薬が処方された。薬のおかげか2,3日もすると回復した、と思った。
そして、クリスマスが近づいたころのある早朝、夫は再び目が回り動けなくなった。診療開始と同時にクリニックに運んだ。ドクターが首をひねり、「大学病院で詳しい検査をしてもらったほうがいいでしょう」と紹介状を持たされてS医大へと夫を運んだ。
長い長い検査の末、「おそらくは耳石だろう」耳石?正しくは「良性発作頭位めまい症」と言うらしい。薬を処方されてぐったりと疲れて帰宅も、4,5日で回復した、と思った。
無事にお正月は楽しく過ごせた。そして、再び目が回りだし、また、かかりつけ医へ。
そこで、処方された薬の中でもめまいを抑える肝である薬を飲んでいないことが発覚した。
「なぜ飲まないのか」に夫曰く。「とんでもなくまずい」と。なんと、まあ!子供じゃあるまいし。
長々と我が家の奮闘を書いたが、この事件があったのはいずれも私が授業を持っていない日だったのだ。これが授業の担当日だったらどうなっただろうかとヒヤリとした。
こうして子どもたちの支援ができるのも自分だけでなく家族が元気でなければできないのだと身に染みて思い知らされたのである。
石頭の頑固な夫の耳石も今は消えてなくなった、かな?と願う次第である。。
(とんぼ)