1月は行ってしまう。
2月は逃げてしまう。
3月は去ってしまう。
この時期になると、いつもこの成句が心に浮かぶ。
そしてこの2月、雪降る前日の冷える夕方に私は愛犬ハッピーと散歩に出かけた。
犬は途中でしゃがみ込み、ワンともキャンとも鳴かないのに急に歩けなくなり、立たせてもぐるぐる回る。
寒さのせいかしらと訝りつつ抱っこして帰宅。連休で病院も休みだったので、家で様子を見ることになった。
体が不自由なせいか食欲もなく、庭で大小をさせてもバランスを崩して倒れる。
動物病院でレントゲン撮影と血液検査を受けた。が、結果は異常なし。
獣医師は「左半身に麻痺がでています。脳に障害のある疑いがあるが、犬にMRIは負担が思い。
薬(ステロイド、脳圧を下げる薬、利尿剤など)で対処します。1週間が勝負です。安静にしてください。」
と言う。10日分の薬を貰った。
薬の効きは凄く、粗相も盛大だったが、劇的な回復を見せた。
血栓だったのか脳梗塞だったのか判らない。震えが止まり、脚が曲がるようになった。
3日で10歳も老けた感じが、少し元に戻った。一瞬で変った愛犬の健康状態。
幸いにも20日を経た今、ソファーに跳び乗り、散歩もできる。
でも老犬に起こったことは我が身にも起こりえること。禍を転じて福と為そう。
時の流れが早い。いつ、どこで、どうなるかは誰にもわからない。
去りゆく3月を心して味わいつつ、
この春もハッピーと共に多摩川の桜を楽しみたい。
( Y・K )