四月。日本は新年度が始まり、気持ちも新たになる季節。さらに今年は元号が変わって令和になるということで、なんだか新年を迎えるような、うきうき、わくわくした気持ちでした。
・・・が。
私は咳が止まらず、風邪かなあ、花粉症かなあ、季節の変わり目だからかなあ、などと考えているうちにも咳はひどくなり、これはちょっとおかしいかも、と少々心配になって、大連休の前に医者に行っておこう、と思い立ちました。
診断は咳喘息。
喘息はアレルギーの一種で、長い時間をかけて治療して行くものらしい。吸入と内服の薬を出してもらいましたがピタリと咳が止まるわけではなく、連休は咳に苦しみました。
朝も咳、昼も咳、夜も咳。喋ると咳。ご飯を食べると咳。寝ようとすると咳。
ああ、喘息の人はこんなに苦しいんだな、ということが少しわかりました。
私は既にリウマチの持病もあり、これで持病が一つ増えたわけです。
病気や怪我をすることは嬉しくないですが、少しだけいいことがあります。それは、病気や怪我をした人の苦しみ、痛みが少しわかることです。自分が元気な時は、どれほど想像力を働かせても、他人の苦しさ、痛さの本当のところはわかりません。自分が同じ立場になって初めてわかります。
それは当然のことで、だからこそ私達は常に他者を真剣に思いやらねばいけないのだと思います。
しかしながら、正確には不可能としても、苦しさや痛さをなんとかして表し、伝えたいものです。また、それが必要になる場合もあります。表情や身振り手振り、声の調子や言葉で。文字で伝える場合は言葉で表すわけですから、やはり言葉は大事ですね。
とは言いながら、わが身を振り返ると・・・
連休明けに知人に話したのは「すごーーく、苦しかった!」・・・己の語彙力の無さを思い知ります。
しかし、考えても苦しさを表す言葉はあまり思い浮かびません。首を絞められるように苦しい、とか、胸が締め付けられるように苦しい、とか?首を絞められたことないし、胸が締め付けられたこともないし。難しいですね。
それに比べると痛みのほうが言葉が浮かびます。突き刺すような痛さ、とか、筋肉痛をひどくしたような痛さ、とか。
擬態語も色々あります。ズキズキ、チクチク、ガンガン(頭痛)、シクシク(胃痛)、キリキリ、ピリピリ、ジンジン、等々。
ところで、これらの擬態語は身の回りで多く使われるからなんとなく通じるのであって、日本語を知らない人には通じないものですよね。日本語学習者はどのように習得するのでしょう。これらの表現は日常よく使われるので是非馴染んで欲しいですが、伝えるのは、やはり難しいです。日本人どうしでも「シクシク」の感じ方は違うと思いますが、私ならこんなふうに感じる、ということを伝えたいな、と思いますが、それがまた、難しい。
ちなみに、数年前歯茎の奥のほうが重く痛くて耐えられず、歯科の先生に訴えた時は「鉛が沈んでいるみたいなんです。ズーーン、ズシーーン、ドーーン、ていう感じ」。先生「???」
(SI)