2月のある日、Eちゃんは大発見をしました。
Eちゃんは4月から新一年生。 日本語はまだまだですが英語のおしゃべりはとても達者なザンビアの
女の子です。
「『あさ』のあいさつは?」と訊きながら 私はEちゃんのノートにあくびをしているおひさまの絵を
かきました。
「おはよう」「おはようございます」
「何時に起きたの?」 「seven~」
私がおひさまの横に7時を指す時計の絵を描くと、Eちゃんはするりと椅子から滑り下りて ボードに
時計の絵を描き始めました。
あら~ なんかちがう・・・
私は教材の木製の時計を見せて、上から「じゅうに・いち・に・さん…」と指さしながら数えました。
それからEちゃんの描いた時計の数字も一緒に数えました。
「じゅうに・ゼロ・いち・に・さん…」 「ん~???」
Eちゃんはもう一度2つの時計の数字を読み比べました。
「ゼロがない…?」半信半疑 眉間にしわをよせるEちゃんに、私は教室の掛け時計を指さしました。
「ゼロがない! ゼロがない!!」
それでも信じられない様子のEちゃんは、私の手を引っ張て他の教室にもお邪魔して、全部の掛け時計
を確認。 まあるい目はさらにクリクリパチクリ動きます。
「ゼロがない!!!」 Eちゃんには天地をひっくり返すような大発見。
私はかわいくておかしくておかしくてしばらく笑いが止まりませんでした。
今回は日本語にはあまり関係ない発見でしたが、生徒が「あ、そうか!」と気が付いてくれると教師は
とてもうれしいものです。発見は何よりの学習ですから。
これからもEちゃんは素直にいっぱい感動して学んでいってくれることでしょう。
[ET]