新型コロナウイルス感染の拡大という、思いもかけなかった事態となり、不安な心持ちの毎日です。ウイルスというごくごく小さな物が世界を巡っているようです。日々、地域ごとの感染者数が報道されたりしていますが、はて、東京の人が大阪滞在中に感染したら、東京の感染者数にカウントされるのかしら。大阪かしら。
あら?イタリアで感染したらイタリアの感染者数に入るのかしら。しかも、感染してから検査で確認されるまで時間がかかり、その間に移動したらどこで感染したかわからない場合もあるし…
大量の物資とともに世界中を飛び回っていた人類は、微小なウイルスに翻弄されているようにも見えます。
ふと、私が子供の頃(半世紀前!)、海外へ行く人も、海外から来る人も今よりずっと少なく、外国人は滅多に出会うことの無い珍しい存在だったことを思い出しました。異国の血を引くと思われる人も珍しく、混血とかハーフなどと呼ばれていて、エキゾチックな容貌で、子供はかわいらしく、大人は美男美女、という勝手なイメージを持っていました。
しかし、少しずつ知識が増えてきて疑問が湧き、考えが変わってきました。
国境というものはある日誰かの都合で決まったり変わったりしてきたのです。隣村の誰かと結婚したはずが、実家が違う国になってしまったら、国際結婚ということになるのか?そもそも昔の人々は国境などというものを意識せずに往来していたはず。つまり、私達はすべて色々なご先祖様から色々なものを受け継いで来ていて、それを、混血とか純血などと言うのは意味が無い。
なーんだ、みんな混ざっているんだ。みんな同じだ。
私は納得し、なんだかとても安心しました。
ウイルス感染者数の数え方にはルールがあるはずですが、私は細かいことには関心が無いので、専門家や行政に任せます。
それより、世界各国が自国民の感染拡大を抑えるために人の移動を止めて、なんだか鎖国のようになっていくことに不安を覚えます。
みんな同じ人類のはずなのに。
どこかに線が引かれ、区別が生まれる。
これからどうなっていくのか。ウイルス騒動が収まった後、どういう世界になるのか。
人類がウイルスに試されているような、そんな気もしてくるのです。
(SI)