約1ヶ月前のこと。
教室に何人かの先生が集まり、卒業生に色紙を書いたり、生徒の住所を確認したりしました。
教室は3月頭から休室し、その間に連絡がとれなかった生徒も多く、先生達が手紙を書いたり、電話で様子を聞いたり、今後の支援を相談したりという時間でした。
教室がお休みになり、どうやって支援を繋げていくかという中で、ビデオ通話等オンラインで授業はできないかという話が度々持ち上がりました。
ビデオ通話の双方向のやりとりを模索すると、やはりWiFi環境・通信制限等がネックになります。実際に、今教室にいる生徒で、それがすぐにできそうな子はいませんでした。
ビデオ通話や電話は無理でもメールが可能な場合、添付での写真やプリントのやりとりはどうだろう。
「ここはちょっと難しいかな」という箇所で混乱してしまい、その修正が難しい。
普段の授業では、音、口の動き、ジェスチャー、視覚情報(絵や文字)を全部使えているわけですから、文字のやりとりだけでどうにかしようとするのは、とても難しいことです。
私が生徒の立場だったら、理解が追いつかず、質問するのも難しい状況であれば、そっとメールの画面を閉じてしまうかもしれません…。母語でのサポートができればまた違うのかもしれませんが。
既習内容や復習をメインとしたプリントを郵送しての通信教育は…?
返信用封筒に住所を切手を貼り、お返事を待ちます。
スマホなメールでのスピーディーなやりとりが一般化してしまっている現在、「郵送」という手段は、生徒にとってはハードルが高いものなのかもしれません。
それでも、いつかレスポンスがあれば…
私に限らず、どの先生方も相談をしながら、やり方を模索中の様です。
そんな中、別の団体の話ではありますが、「YSCグローバル・スクール」(東京都福生市、NPO法人青少年自立援助センター運営)が、クラウドファンディングで募った資金を元に、zoomによるオンライン自習室を無償開放されました。教科の自習サポートだけでなく、日本語の支援も含まれるようです。7000円弱かかる授業料を無償化し、必要であれば機材の貸し出しも行うそうです。
今回の事態になる以前から常に何が必要かを模索し、基盤を作りを続けられてきたのでしょう。必要な時に必要な支援を必要な場所に広げていく。何よりも、地域を飛び越えた活動範囲と、オンライン教育のインフラに係る部分までを視野に入れた支援体制が考えられ、構築されている。素晴らしい試みだと思います。
一方で、本当に必要としている人たちが、その情報を知る機会があるか。情報を知った後、支援を受けられるように個々人が準備を進めていくためには、難しい問題もあります。
それでも、必要な人の元に、この情報が届けば良いなと思います。
今自分にできることは何だろうと考えます。
考えれば考えるほど、小さく小さくまとまりますが、結局は、今関わりのある外国ルーツの子達が孤立しないように、できることを模索しながら関わりを続けていくことであると考えます。
それがどんなに制限が多く、小さなものであっても、全く終わりが見えないような状況であっても、考えること、動きを止めてはいけない。
できることを続けていこうと思います。
(N)