3月14日に教室を閉鎖することになってから2ヶ月が経ちました。閉室中のことなど子供たちと何の打ち合わせもできませんでした。オンライン授業ができるかと先生方があれやこれや調べましたが、ネット環境、教材、用具などを考えると不可ということになりました。何の準備もなく新しいことはできないものです。学校も閉じられ、学習者が日本語に接することがなくなってしまうことを心配した教師たちが行ったことをお話します。
中学1年のAさんの担当教師たちのことです。Aさんを3人で担当していますが、教室そのものが閉鎖されているのでLINEのグループトークで対応を話し合いました。Aさんとは電話での会話は難しいので、昔ながらのプリントを郵送して返送されたものを添削する方法をとることにしました。プリントの内容はこれまでの復習をメインとして3人が共通の教材を3分割し、さらに、それぞれの教師が語彙や文法整理のプリントを用意して、日にちを開けて郵送しました。もちろん、返送用の封筒には切手を貼って同封しました。
私たちはAさんからの返送をラブレターを待つがごとく期待をもって待ちましたが、一度も届くことはありませんでした。私たちの意図が伝わらなかったのかと思い、メール、電話でコミュニケーションをとりましたが、会話がうまくいかず現在に至っています。なぜ、返送しないのかは分からずじまいですが、プリントは「しました」と言っているので、教室が開いてからのお楽しみになります。子供たちと学習できる日が待ち遠しいです。
自粛中に私が一番に感じたのは公立学校でのITの導入が遅れていることです。小学生もスマホを持ち、幼児でもタブレットを操作しているのに。このままでは教育格差がでてきます。この先、ウイルスだけでなく気候変動などで登校できないこともあるでしょう。
「新しい生活様式」だけでなく「新しい教育様式」も考えるべきだと思うこの頃です。
(tombow)