毎週ぐるりっとのブログを読むことはとても楽しく、ブログが更新された日は自分自身の体験を重ねたりしながらまどろんでいます。少し前でしたがやはりふと思い出したのが下記の二人のことでした。
Rさんという中国人の男性でしたが、日本に来てすぐラーメン屋でアルバイトを始めたそうです。大将に「毎度ありがとうございます」と「おつり」の二言だけを教わって出前を手伝ったとか。日本語も日本のお金も分からなかったから、お金を掌に並べて「おつり?」と訊くと、相手がおつり分を取ってくれたそうです。
ええっとびっくりしたら 彼は笑って曰く「でも日本人はみな親切でした」と。
私と出会った時のRさんはエアコンの設置会社に勤めていて、日常会話は不自由なく話せましたが、もっと仕事仲間と話せるようになりたいと仕事の合間に勉強していました。
来日してすぐに出会った日本人が皆親切だったなんて本当でしょうか。
苦労したに違いないと推測するのですが、今思い出してもRさんの笑顔が お互いに優しい環境を作り出したのだと思えてなりません。
ぐるりっとの教室で、「~はいつですか?」という文型を習ったときに、先生に
「お誕生日はいつですか?」と訊かれたことがきっかけで 友達づくりが出来るようになった子がいました。「おたんじょうびはいつ?」と上手く言えるよう何度も練習して、コミュニケーションツールにしたのです。 なるほど女の子たちが「友達」になるきっかけってそんなところにあったのかと目からうろこが落ちました。
日本語を教えながらいつも思うことは、生徒たちが日本に馴染めるかしら、日本人の友達が出来るかしらという事です。上記の二人のように 仲間やクラスメイトと話したいという気持ちを持って 積極的にチャレンジしてくれるといいのですが、消極的な生徒もいます。
日本語に限らず、皆 外国語を学習しているとき、言葉としてそれを発するには勇気がいりますよね。 通じるかどうか、最初それを口にるすことはとても不安ですが、下手な日本語でも聞いてくれる人がいたらどんなに嬉しいでしょう。しかしこれは日本語教師の力のなかなか及ばないところです。
片や 日本人も外国人とコミュニケーションをとるのが苦手です。受け入れる側(人も社会)もきちんと学ばねばグローバルな時代は来ないのではないかと思いました。
ましてやコロナ禍中、隣人との人間関係が希薄になってしまうことに不安を感じる昨今です。
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