今、一緒にお勉強をしているミャンマー人のR君。少しのブログに登場したM君のお兄さんです。
インターナショナルスクールに通う彼は、夏休みを利用して日本語を勉強したいというご家族の希望で、ぐるりっとにやってきました。
私設のサッカークラブに所属し、週3回、クラブチームが借りている複数のグラウンドで練習を頑張っています。
サッカーチームには、日本人もいますが、それよりもたくさんの外国人が所属しているそうです。日本人の友達とも会話は英語でしているとのこと。
友達から入ってくる日本の学校の情報なども多く、自分の通っている学校との違いなどを話してくれます。授業中の話題には事欠きません。しかし、日常生活の中で彼が日本語を使う頻度はそれほど多くはないのだろうと感じます。インターナショナルスクールを卒業した後は、海外の大学に進学してみたいと話しています。
ぐるりっとで勉強をする子の多くは、日本の学校への就学を予定していたり、すでに学校生活をスタートしている子がほとんどです。日本語や勉強が好きか嫌いかの関係なく、日本語の海に放り込まれるように日本での生活がスタートしていきます。その大変さがわかるからこそ、担当の先生達は学校生活が本格化した後も、少しでも困らないように、早く適応していけるようにと考えながら授業をしています。
R君のように、日本語がマストではない子は、何を基準に学習を組み立て、進めていけば良いのでしょうか。
担当することが決まりそんな疑問が頭を掠めた時に、最初に浮かんだ答えは「日本語の勉強を嫌いにならないでもらえるように」でした。(少し後ろ向きな表現ではありますが…)
ひらがな・カタカナ・漢字と複数の文字を扱いながら「です・でした」「ます・ません」と時制も文末変化も複雑で、助詞があったり主語が抜けたり…少し突っ込んで勉強すればする程に、面倒くさいなぁ、嫌だなぁと思われてしまう可能性も。学習の必然性が低ければ、その分投げ出したくなるのも早くなるのではないでしょうか。
しかし、学習をするのであれば、きちんとした日本語文法に触れて、理解して欲しいとも思います。
宿題の量、文型導入の順番等を調整しながら、会話好きのR君がなるべく退屈しない様に担当の先生と相談をしながら授業を考えていきましたが、効果は如何に。
夏休みで一度教室での学習を終えるR君。次のお休みの機会にまた勉強をする時は、今勉強していることを忘れてしまうかもしれません。
それでも、ぐるりっとでの勉強の時間、勉強した内容が少しでも心と記憶に残り、彼のこれからの日本語学習のとっかかりとして機能してくれれば嬉しく思います。
(N)