日本語を学ぶ生徒にとって、漢字を覚えることは大変です。とりわけ漢字圏以外の地域出身の生徒はとても苦労しているようです。漢字の形を覚えるのがまず大変で、しかも同じ一字について読み方が何通りもあるものがあり、生徒達を苦しめます。
これについて私も言いたいことがあるので、今日はそのことについて書きます。
日本の言葉に漢字を取り入れた時、音(発音・読み方)も伝わったと思うのですが、それに近い音を音読みとして今も使っています。それだけでなく、漢字の意味を知って、当てはまる日本語に使うようになったものが訓読み。ざっくり言うと、こういうことですね。ですから、音読みの言葉に「大」を付けた時は「ダイ」(または「タイ」)と読み、訓読みに付けた時は「おお」と読む、というのが普通だと思うのです。
音読みなら「大発見」とか「大音量」など。
訓読みなら「大雨」とか「大男」など。
しかし、これらのルール(?)に反するものもあります。
「大火事」は「おおカジ」、「大地震」は「おおジシン」と読む人もいます。
「大仰」は「おおギョウ」、「大桟橋」は「おおサンばし」。
言語に例外は付き物ですが、初めて覚える人にとっては厄介なことでしょう。
名詞や形容詞、動詞にも付ける「御」も、「お」と読むか「ゴ」と読むか(「ギョ」「おん」「み」もあります)、ルールは果たしてあるのか?訓読みの言葉に「ゴ」が付くものは思いつきませんが、音読みの言葉に「お」が付くものはたくさんあります。
お元気、お客、お天気、お返事、お野菜、お料理、お正月…
これらの「お」が「御」と書かれていたら、学習者は読み方を迷うのではないでしょうか。
それから、送り仮名で区別できない読みがある字があります。
止める …「とめる」なのか「やめる」なのか?
辛い …「からい」なのか「つらい」なのか?
誘う …「さそう」なのか「いざなう」なのか?
弾く …「ひく」なのか「はじく」なのか?
これらは別の字にしてほしい!
日本は国字といって日本で作った字も使っているのですから、これらの字も新しく作っていただけませんか?
(SI)