成語故事「一鳴驚人」=「鳴かず飛ばず」
(「不鳴則己、一鳴驚人」より やらなければ何もしないが、やりだしたら人を驚かすようなことをする。)
成語故事「一鳴驚人」の由来は司馬遷の「史記」にある 春秋時代の楚の国 荘王の話より語られています。
春秋時代の覇者 荘王も即位して3年来、もし自分を諫める者がいたら、「即刻死刑に処す」と命令を出し、一日中酒を飲んで騒ぎ 国家の大事に耳を傾けませんでした。
これを見かねた家臣の伍挙(ごきょ)は荘王に「なぞなぞをしたいと思います。」と言い「一羽の鳥が丘にいます。3年も飛ぶこともなく 鳴く事もないのです。なんと言う鳥でしょうか —————– 」鳴かず飛ばずと言う言葉の由来になった問いかけでが、これに荘王は答えて「3年も飛ばないのか。ひとたび飛べば天まで飛ぶであろう。3年も鳴かないのか。ひとたび鳴けば人を驚かすであろう。伍挙(ごきょ)よ、下がれ!私はお前のいう事はわかっている」と。ところが数ヶ月経っても荘王は一向に生活を改めません。
今度は蘇従(そしょう)がやって来ます。今度は直諫です。荘王は「お前は命令を知らぬのか !」蘇従は答えて「私は死んでも、王が名君になっていただければ本望です」と。これを聞いた荘王はただちに生活を改め、政務に就きました。もちろん伍挙と蘇従は重用され、政務を任されました。
この話はトップの過ちをどう正すか?の話題も提供しています。伍挙のように遠回しに指摘するか(諷喩)、蘇従のようにストレートに指摘するか(直諫)。相手を傷つけずに恥をかかせずに悟らせることができれば諷喩は諫言の方法としてすぐれていると言えます。
あやまちて改むるに憚ることなかれと言われても他人の過ちはちょっと!
近頃の人は遠回しに言ったらず―っと空回り、ストレートに言ったら切れた!……なんて!トップの人であれば なおさら「くわばら くわばら」……!!
(SM)
閑話
「一鳴驚人」には二つの表現があります。
・ずっと活躍することもなく、人から忘れ去られたようになっている様子。
・将来の活躍に備えて行いを控え、機会を待っている様子。