乗り換えの駅で立ち寄ってみただけなのについつい手に取って買ってしまう本屋さんがあります。 品川駅駅中のecute2階 PAPER WALLです。小さな本屋さんですが品揃えが私に合っているのでしょうか。雑誌やおしゃれな実用書は入る手前からタイトルが目に飛び込んできます。 文芸書は一冊手に取ると隣の本も気になるような並べ方で、出版社や作者ごとに整理されている本屋さんでは出会えない一味違った魅力があります。
集中力がなくて本が読めないと感じた時にも、ちょうどいい短編集に出合いました。
三島由紀夫の短編集やサジ短編集。また「猫の文学館」。これは往年の作家の方々が、意外にも飼い猫に翻弄されているユニークなエッセイの数々。現在のペットとは異なり、猫にもお仕事があって、鰹節3本であげたりもらったりの時代背景と相俟って面白かったです。その後に買ったのが「教科書名短篇」。これは [人間の情景] [家族の時間] [少年時代]と3冊あり、現在も教科書に載っているものや懐かしいもの知らないもの等、心打つ名作の数々です。
いい本に出合うと嬉しくなりますが、コロナ禍中 お茶したりおしゃべりすることが躊躇われ、この本よかったあの本面白かったなどと情報交換することもほぼありません。
しかしそんな折、久しぶりに教室を訪ねてくれた生徒が 高校生活の様子や「ブックトーク」で愛読書を紹介したことを話してくれました。「君のためなら千回でも」(The Kite Runner)というアフガニスタンを舞台にした本ですが、この1年ですっかり日本語が上達し、中国語で読んだ内容をしっかり日本語で語ってくれました。居合わせた先生たちが皆その本を読んでみたいと思わせられたほどです。
そして…それが…ベストセラーにもなった本でしたが絶版になってしまっており、アナログな私が「メルカリ」で本を買うという初めての経験に繋がった次第です。
[ET]
2022
04Mar