国語辞書といってもたくさんの発刊元があり、引用する場合もその辞書によっては様々な解釈が載っています。「広辞苑」のような分厚いものから「100円均一」で買えるものまで、あらゆる解釈が少しづつ違うことに気づきます。
名辞書の誉が高い「新明解国語辞典」(略して“新解”)は発行された年度によって、解釈が違うので何版刷りかを知る必要があります。私も第2版を除いて現在の版までを揃えていますが、検索する用語解釈の楽しさを味わっている一人です。「広辞苑」「言海」「大言海」「例解国語辞典」「大辞林」や“角川”や“三省堂”の国語辞典“と「漢字源」「古語辞典」など、さらには「電子辞書」も大変に参考になりますが注目すべきは”時代により解釈が異なる”と言うことです。
辞書と言うのは、一般的には「糊とハサミの産物」と言われた時もありますが、明治期と大正期 そして昭和の戦前と戦中・戦後の解釈を自分なりに“辞書を読んでみる”ことが大切かと思います。「新解」の語彙例題は特におもしろい。時代により参考例が違うことや解釈もちがうのは、辞書として許されることか否かは使う人の判断で決めればよいのですが、辞書が楽しいとは不思議な発見でもあります。
誇大広告に偽り在り!ではなく、違和感を持つ楽しさを、日本語指導をする仲間の先生方と共感していきたい。虚偽は利用する側の解釈で表裏が反転します。真実とは何かを見る目が必要とされている時期に、日本語語彙の解釈が辞書の書いてある通りなのかも考えて、辞書を活用していきたいものです。いまの社会情勢のなかで辞書の余白に自分の見解を書いてみましょう。おそらく膨大な“時間の食いすぎ”のライフワークになるのではないでしょうか。いろいろな辞書を並べて用語検索をしていると、またもや時間に食われそうになって、今夜も眠れそうにない、・・わたし(かな)。
(wataru君)
2022
15Apr