私たちの教室では、来日間もない様々な年齢の子どもが日本の学校教育を受けるため、日本語の習得に励んでいます。
ひらがなカタカナの読み書きができ、簡単なコミュニケーションが取れるようになった子どもは学校に行くようになります。
先週も3人の子どもが学校に行き始めました。
大田区の未就学児の日本語支援は多文化共生推進課が行っており、学校に行くようになると教育委員会が行っている日本語支援を受けるようになります。
未就学児の支援は 週3日、1日3時間で最長6か月受けられます。
教育委員会の支援は80時間(正味60時間)です。
ひらがなカタカナの読み書きができ、80時間の支援を受けても、教科についていけるわけではありません。
自然習得に近い形で言語を身につけられる小学校低学年の子どもは何とかなっているようですが、
高学年、中学生になると文法を基にした最低限の日本語の基礎を学ぶ必要があります。
それには200~300時間はかかり、大田区の支援の学校へ入る前に6か月、入ってから80時間で時間数はつじつまが合っているようですが、6か月無償で日本語支援を受けられるのは、学校に行くまでということです。
学校に行くようになると、6か月無償という権利はなくなります。
学校に通いながら、無償で80時間以上の日本語の指導が受けられるようなシステムにはなっておらず、(これは同じ税金を使いながら、管轄が違う結果だそうです。)早く学校に行くか、家庭で過ごす時間を有意義に使って学校に行かず、日本語習得に専念するかを選択しなければなりません。
学齢期の子どもが週3日、1日3時間、日本語指導を受け、後は家庭で過ごすというのは健全ではありません。
早く学校に行って、日本語に耳慣れ、友だちと触れ合うことは日本語習得の大きな助けになると思います。
なるべく早く学校に行かせたい気持ちはあります。
しかし、先々のことを考えるとまずしっかり日本語の基礎を身につける重要性も感じます。
学校に通いながら日本語を学ぶのにはお金がかかります。
私たちの教室では 1日2時間500円の授業料を徴収していますが、ハードルが高い家庭もあるようです。
いつ、どの程度の日本語力で学校に入るかを決めることは支援者にとっても悩ましいところです。
結構な税金が投入され(教育委員会の行っている日本語教師派遣事業には生徒一人1時間5000円80時間の予算がついていると聞きました)ていながら、子どもにとって利用しやすい支援の形になっていないのは、本当に残念なことです。
(EY)