6月になり、雨の季節となりました。
東京も梅雨入りをし、紫陽花が綺麗に花開いている時期ですが、今回は少し前の、4月末の教室風景をお伝えいたします。
4月といえば学校も新学期。
しかし、年度末に来日してきて、こちらの教室で日本語をゼロからスタートした子ども達は、自信を持って学校へ通えるようになるために、3月から引き続き、日本語の特訓です。
この日は、午前中に開講している「おおた子ども教室」の中でも勉強をスタートしてからまもない子たちの授業を覗かせていただきました。
中国の福建省からやってきたL君は、14歳。
日本の幼稚園に通っていた経験があり、語彙は少ないものの流暢に綺麗な発音で日本語を話します。
コミュニケーションは可能ですが、日本語を読む、書くは全くのゼロベース。
このアンバランスさが埋まらないままだと、話した印象で「日本語上手だね。大丈夫だね」と思われるけれど、実は…なんてことにもなってしまいます。
そんなことにならないように、この日はひらがなの習得に一生懸命でした。
開いていたのは、使用教材「みえこさんのにほんご1(ひらがなカタカナ練習帳)」の「たてがき」のページ。日本語の文章は縦書きと横書き、両方あるんだよと先生から教わっている最中でした。
漢字の国の中国でも、今は縦書きはほとんど見られないそうです。
春節の家の柱に書く飾り文が縦書きです と、身振り手振りを駆使して教えてくれました。
おしゃべりが大好き。いつも早起きで遅刻皆無なL君。
今(6月現在)は文字習得も進み、初級文法の基礎固めを頑張っている所です。
お次も、中国からきた仲良し姉弟。
とても勉強熱心で真面目な子達です。
こちらは、カタカナのブラッシュアップ中。
五十音が書けるようになっても、単語の読み書きは難しく、時間をかけて繰り返し学習します。
この日は「にほんごをまなぼう」の教科書を使って友達同士で使う会話のお勉強もしていました。
〜しよう、 する?、〜したい…
「テレビ見たいですか? 見たくないですか」
時折学習した文法を挟んだ会話を交えつつ、頑張っていました。
こちらも中国の姉弟従姉妹達。勉強を始めたばかりの3人組。
レベルが離れてくると、それぞれの生徒にそれぞれの先生がつく形が良いですが、みんなで大きな声で発音練習する、「はい」と手をあげる、生徒同士で会話の練習をする…など。複数人でなければ経験できない授業もあります。
この日は先生達と生徒達、みんなで一緒に授業をしていました。
教室には色々な教材が揃っておりますが、数人一緒で授業をする場合や、お家で復習をして欲しい場合などに、先生方が自作でカードを作ってきて、それぞれの生徒に貸したり、あげたりすることもあります。
今回の子達は、それぞれがものの名前カードを持っていて、それぞれカードをみながら「これは 〜ですか?」の会話練習の真っ最中でした。
こちらの元気な3人組は、他の子達よりも一足早く小学校の生活をスタートさせました。
お姉さん達は午後のぐるりっと教室で日本語学習を続けることになり、先日は久しぶりの来室。担当の先生に、学校の先生の名前や生活の様子等、元気に報告していました。
休み時間はジェンガやトランプ。最近はカルタとりも人気です。
教室内での毎日の消毒、マスクの着用等、感染対策は今後も続いていくことと思いますが、
教室を閉鎖しなければならなかった当時の歯痒さをおもえば、同じ空間で授業ができ、休み時間に子ども同士笑い合える時間はかけがえのないものです。
彼らを笑顔のまま学校に送り出せるように、そして、これから長く続く日本での生活がサポートできるように、先生達もがんばる日々です。
(N)