4月から小学校1年生に入学する幼児が数名通ってきています。
通い始めた当初は、慣れない環境下で言葉の壁も高く、不安そうな顔も見受けられましたが、修了まで残り1ヶ月となった現在はとても頼もしい姿です。
そんな彼らの授業風景をご紹介します。
朝、玄関で保護者と別れ、靴を脱ぎ、手を洗い、身なりを整え、鞄の中から文房具やテキストを出して授業に備えます。
定位置の座席に座ってお友達や教師と雑談をして授業の開始を待ちます。
まず、最初に声を出す練習をします。
挨拶や天気、体感などを教師が誘導しながら発話を促していきます。
幼くても、日本語が初めてであっても、教師の声からしっかり音韻認識をし、それを繰り返し発することで正確な音の日本語が出てくるようになっていきます。
「何て言えばいいのかな、分からないな、黙っていようかな・・・」
そんな表情をする間もなく、とにかく私たちは子どもに声を出させることに注力します。
最初は本人の名前、先生の名前、友達の名前、身近なものの名前という風にフィールドを徐々に広げていきます。
身近なものの名前を声に出すことは、新しい何かを見せて言葉を教えるより単語の定着がスムーズです。
絵や写真を見せて日本語での音を繰り返し、視覚と聴覚の両方に刺激を与えていきます。
書く指導では、鉛筆の持ち方や姿勢、筆圧のチェックや図形模写からスタートし、決まった言葉を使って指導を繰り返しています。
「形が似ていればいい」ではありません。
文字学習は積み上げ学習。
書き方は、将来的に漢字を書く際のベースとなるものが多いので筆順指導はとても大切です。
どの子も課題やスピードは千差万別ですが、それも個性として個々に寄り添う日本語の習得を進めています。
写真は休み時間の姿です。
彼らの自由な遊びは、私たち教師への指導ヒントをたくさん与えてくれる時間でもあります。
(E.F)