またまた成語故事のお話で失礼します。
成語故事 「三人成虎」 = さんにんせいこ 「三人虎をなす。」
(実際にはありえない事でも多くの人が言うと、それを聞いた人は事実として信じてしまう。
出典:戦国策 魏策)
その昔中国では隣国と同盟を結ぶ際 同盟国の間で人質の交換がなされました。
魏の国の皇太子が趙の国に人質として向かう際、お伴として大臣の龐蔥(そうほう)が選ばれました。
龐蔥は出立前に王様に言います。
「今、誰かが市場に虎が出たと申したら、王様は信じられますか?」
『いいや』
「では、二人目の人も市場に虎が出たた申したら、お信じになりますか?」
『半信半疑になろう』
「では、三人目が市場に虎が出たと申したら、お信じになりますか?」
『うむ、信じるだろう。』
「そもそも市場に虎など出ません。ところが三人もの人が言い出したら虎が現れたことに
なります。私が出立したあと、私をあげつらい悪口を言うものは、三人どころではないでしょう。なにとぞ王様はその讒言をお信じになりませんよう。」
王様はもちろん快く承諾します。
龐蔥が国を離れると、とたんに中傷する者が次々と現れました。
何年か経ち、皇太子の人質の期限が切れ龐蔥は一緒に帰国します。
しかし王様は皆のいう事をすっかり信用しておりましたから、彼をもう一度大臣にすることはありませんでした。
例え事実無根の作り話でも、たくさんの人が語れば信じられます。
インターネットの普及によりたくさんの情報があふれる昨今。SNS、YouTube 流される情報は果して真実かどうか。 「三人成虎」が頭をよぎります。
報道に携わる方々、どうぞ三人成虎の四人目にならぬよう事実をお伝えください。
(SM)