コロナの最中に、かつての台湾での教え子が突然結婚した。コロナ禍のせいで結婚式はできなかった。そしてかわいい女の子の母になった。ママによく似たかわいい子。この子を抱っこしたい。そうだ、台湾へ行こうと即決。早速、彼女とLINEで日程の相談を始めると、あれよあれよとLINEにトークメンバーが増えた。
彼らと出会ったのは台湾の台中市の語学学校だ。私は教師、彼らは生徒である。日中の時間帯のクラスには主婦や自由業の人たち、夜のクラスには学生や勤め人たちが自由に入ってくる。だんだん一つのクラスに固定のメンバーが集まってきて、気がついたら私の自宅アパートのリビングに日曜教室ができていた。
留学を目指す人、能力試験で1級をとりたい人、日本語で話す機会がほしいと日曜日なのに若者たちがやってきた。学習後にはお好み焼きやすき焼きなどでともに食事をした。
濃厚な一時を共に過ごした彼らは今や大学生や高校生の父母だ。彼らの伴侶となった人たちもその子供たちも仲間となって一緒に集う。不思議なものだなあ、と私は感心し幸せを感じる。
今回の旅では彼らとはもちろん、彼らの子供たちと親しく話せたこと、そして、丸々としたかわいいベビーを抱っこできたことが最高にうれしかった。
彼らが言った。「先生、私たち30年だよ。すごいよね」30年前からつながっている細くても強い縁。腕の中のベビーのずっしりとした重さに感動と感謝!
(とんぼ)