今年のNHK大河ドラマは、大好きな平安時代が舞台。
日曜夜がとても待ち遠しいです。
主人公の紫式部が日記の中で触れていますが、その時代から日本人は海外の言葉を好んで使ってきた様です。
偉大な文明国家の言葉は、当時の日本人に大変魅力的であったことでしょう。
そうして年月と共に日本で馴染み、今では意識することなく日本語として使っている漢語由来の単語はとても多いです。
あちらこちらに、ほら、ほらと。
一方で、近代。
西欧文明を先んじて受け入れた日本人によって漢字に置き換えた造語が中国へ外来語として伝えられ、西欧を知る上で有効な手立てとなり、現在でも使われている言葉が多いと聞きます。
興味のある方は、和製漢語をご覧になってください。
時を超えて、言葉が相互に文明を伝え合う手段となっていることが窺い知れて興味深いです。
現代外来語はカタカナで表記されることが多いです。
文化庁が発表するカタカナ語認知率という統計資料があります。
ストレス、リサイクル、ボランティア・・・
馴染みあるこれらの単語は認知率が97%。
理解率は90%だそう。
確かに、どれも会話で、生活で使っていますね。
英語由来の単語は多くありますが、その概念は等しいものではないことも多くあります。
例えば、コンプライアンス。英語ですとcompliance。
その意味は、要求や命令への服従、法令遵守と訳されています。
社会で守られているルールを守ること=コンプライアンス です。
ですので
「コンプライアンスの遵守を徹底しましょう」
は、原語に照らせばおかしな文になります。
正しい使い方は
「コンプライアンスを徹底しましょう」
です。
とはいえ、私たちが原語の意味とは違った使い方をしていくうちに、別の意味を持った単語として日本で定着してしまうかもしれません。
外来語とは、音だけではなく意味も含めて日本へやってきたもの。
そうであるなら、原語とおりの使い方をした方が日本語学習者が混乱せずにすむのにな、と思うこの頃です。
(E.F)