3月最後の土曜日は “ぐるりっと” 恒例の同窓会です。今年は3月30日。
前日の嵐が去り、山王会館へ続く坂道の桜もようやくちらほらと咲き始めました。
以前のような混雑を避けるため、初めてトライする2部制での開催です。
Ⅰ部は13時から。現在通室している生徒13人とこの3年間に在籍していた生徒40人に案内を出し、うち20名+付き添いのご家族が来てくださいました。最初に到着したのはネパール人のD君とお母様。昨年2月に教室に来ましたが、コロナ禍の数年間ネパールではきちんとした授業を受けることが出来なかったようで、下級して9月より小学校6年生に編入しました。でも卒業を機に一人で祖国に戻ることを決意したそうです。日本語の習得や学校生活に苦労があったのでしょう。来室当初からとてもポジティブで知識欲のある生徒でしたから彼なりに考えた末のベストな選択に違いありません。華奢な体格の彼ですが黒のスーツ姿がとてもりりしく見えました。
お菓子やジュースを並べ、BINGOをしたりJENGAをしたり、女の子たちは浴衣を着つけてもらったりして楽しく賑やかな時間を過ごしました。日本に住むことや学校生活に不安はあるけれど、ぐるりっとを学び舎として今も卒業後も頑張っている子供たちに私は胸を打たれます。先生達もみな精一杯応援しています。そしてぐるりっとを忘れずに訪ねてくれてこんなに嬉しいことはありません。
Ⅱ部は15時半から。同窓会の案内状はメールや葉書で出していたのですが、さすが高校生や大学生社会人ともなるとそれぞれに忙しく、来ると返事をくれていたのに来られなくて6名の出席でした。5人は「オォ元気~」とすぐに声をかけられましたが、一人だけ小さな声で「Iです」と言ってくれているのにピンとこなくて… それもそのはず14年前の記憶はギャザーのいっぱい入った赤いスカートのちっちゃなIちゃんでしたから。それがこの春幼児教育の専門学校を卒業して訪ねてくれたなんて!それに「また教室を訪ねてもいいですか」なんて言ってくれて懐かしさと嬉しさで胸がいっぱいになりました。
Ⅱ部に来てくれた卒業生達はもう大人で日本語も完璧。先生たちも座ってゆっくり話をすることが出来ました。「日本語を勉強していて一番難しかったことは?」「漢字。訓読み。」なるほどね~
「もう日本語に不自由はないでしょう?」と言うと・・・「ん~でも喧嘩したときなんか、(中国語では言えるけど)日本語にはない言葉があって言いたいことが言えない。」「中国語では悪い言葉がいっぱいあるのに、日本語にはないんだよ。訳せないの。日本語はせいぜい『バカ』とか『死ね』でしょ。」「日本は平和な国なんだよ~」
母語で鬱憤を晴らしたかったこといっぱいあったのでしょうね。よく頑張ってきたねと褒めてあげたくなる会話でした。それに感情を表す語彙の数で文化の違いが測れるなんて面白いですね。
再会を喜び、別れを惜しみ、卒業にエールを送り今日一日でいくつもの感動を得ました。
みなさんありがとう。
[ET]